冬の星 −中大兄皇子−
2011-01-05


冬の星は
なんと冴え冴えと


冷たく気高い光を
放っているのだろう


息さえも
凍りつくような闇の中


その蒼白い光は
かすみもせず
よどみもせず


小さく鋭く
輝き続ける


何も
迷うことなどないのだ、と


確かな兆しを
もたらしてくれる


揺らぎはしない
ひるみはしない


この胸に
目指すものがあるなら


行く手を隠す雲など
吹き払ってみせよう
何度でも


生ぬるい情けや
狎れ合いはいらない


燦然たる意志を
掲げ続けよう


満天を司る
蒼く厳しい
冬の星のように



(イメージポエム、中大兄皇子)
[飛鳥時代]
[詩]

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